保税運送とは、指定保税地域や保税蔵置場などの相互間を、外国貨物の状態を保ちつつ運送することです。外国貨物とは、国内にありながら税関の管理下にあります。すなわち輸入通関を行う前、或いは輸出通関を行った後の状態である貨物のことを指します。これら外国貨物が定められた場所で管理されていないと、税関の役割である税金の徴収が難しくなります。そのため、保税運送とは指定保税地域や保税蔵置所などの許可を受けた場所から外国貨物を動かす際には、前もって税関の承認を得た場所から承認を得た場所まで動かすことをいいます。保税運送はOLT(OVER LAND TRANSPORT)と略されます。よく間違って使われますが、OLTはトラックやドレージなど陸送による保税運送をさしています。船による保税運送はICT(INTER COAST TRANSPORT)といいます。コンテナのフィーダーや原料の輸送などに使われます。
保税運送には様々なケースがありますが、多くは下記の例に当てはまるのではないでしょうか。
①CYから保税蔵置場まで
一般的に海上コンテナは、CY(指定保税地域)にコンテナ船から下ろされます。CYで輸入通関を行い、即時許可になれば貨物は内国貨物としてCYから引き取れるので、保税運送の必要はありません。しかし、すぐに通関できない事情がある場合は、一旦は保税蔵置場などに横持することになります。指定保税地域は保管期限が1ヶ月と短いため、それを超して蔵置することはできません。「すぐに通関できない事情」とは、高いCYのデマレージ料を避けるために自社や提携倉庫の保税蔵置場に逃がす場合や、申告前に検品を行ったりする場合など様々です。LCLの場合、CYから保税蔵置場(CFS)に保税運送を行い、混載貨物として搬入されます。
輸出の場合、LCLはCFSでバンニングなどを行い輸出通関した場合は、CYまで保税運送します。
②保税工場で加工、製造する
保税工場では外国から輸入した原料を、予め税関に届け出た方法で保税工場で外国貨物のまま加工・製造ができます。そのために指定保税地域から保税工場まで保税運送します。
③保税展示場で展示・改装・仕分けをする
保税展示場では外国貨物の状態で、展示したり受注したりすることができます。指定保税地域や保税蔵置場から保税展示場へ保税運送を行い、そのまま外国へ積み戻すことができます。
保税運送の流れ
①運送手段や運送先、記号、番号、品目、数量、価格等を記載した「外国貨物運送申告書」を作成し、税関に提出する。
②税関職員の検査が行われる場合がある。
③関税額に相当する担保の提供を求められることがある。
④貨物の運送手段や距離等を踏まえて、適当と認められる運送期間を指定され、税関から「保税運送承認通知書(運送目録兼用)」(以下OLT)が発行される。
⑤運送の承認を受けたものは、OLTを蔵置場に提出した上でその確認を受ける。
⑥OLTを到着地の蔵置場に提出し、到着確認を受けます。
⑦到着の確認を受けた日から1月以内に、⑥を到着地の税関へ提出する。
発送地、到着地の税関が同じ場合は簡易審査となり申告価格等も必要なく、検査や担保の提供は求められません。
また、「蔵入承認申請書」、「移入承認申請書」又は「総保入承認申請書」をOLTと兼用することができます。<関税法基本通達63-5(2)>
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