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2022年11月8日
ラグジュアリーブランドの売上が好調だという。
自分も長らく「ブランド品」の輸入に携わってきて、一時期は衰退していくのではないかと思っていたが、予想に反してコロナ渦から爆発的に売上レコードを更新しているブランドもあるらしい。
意外な気がした。自分が経験したバブル期には、全てのOLが持っていたのではないかと思うほど、ヴィトンやプラダのバッグに溢れていた。そういう自分も学生の時はレノマのクラッチバッグ(古い!)を抱えて通学していたし、社会人になってからは、やはりヴィトンのエピやモノグラムのブリーフケースで通勤していて、今思い出しても赤面する。
当時は円高で、多くの日本人が海外旅行に行く目的はブランド品ショッピングだった。事実ニューヨークの5番街、パリのサントノーレ通りとかミラノのモンテナポレオーネ通りに行くと、嬉しそうにブランドのショッピングバッグを持った日本人に溢れていて、悲しいかな自分もその中の1人だった。しかし浮かれている日本人とは裏腹に、販売員はとてもクールだったように思う。
日本人は富裕層もそうでない人もブランド品が好きだが、欧米人はそれ相応の階級でないと、前述のブランド街に足を踏み入れたりしない。しっかり階層なりのショッピングエリアがあるのだ。日本は伊勢丹や高島屋でブランド品を購入する人もいれば、ドンキで並行輸入品を購入する人もいる。購入するものは、だいたいウオレットか革小物、バッグ類だ。
モデルやファッションリーダーの着こなしを見ていると、GUやユニクロなどのファストファッションを上手く取り入れていて、小物や靴、バッグをブランドでバランスを取っていることが多い。逆に洋服がカールラガーフェルドやアレキサンダーマックイーンでキメて、バッグがしまむらの人は見たことがない。(しまむらさんの商品も素敵です)
カジュアルダウンする時はあくまでReady to Wearの方をカジュアルにして、足元を見られないように小物で演出するのだ。小物はいつも使うものなので、そっちの方が安く上がるからだろうか。ヤンキーさんとかも、上下はスエットでも財布は(ドンキで買った)ヴィトンだったりしますよね。(個人の見解です)
しかし最近の若い人、いわゆるZ世代は自分の好き嫌い、生き方を持っていて、流行に流されずに自分が着たいものを着る!ようなイメージだったので、冒頭のブランド品が売れていることを関係者から聞いて、違和感を感じたのだ。聞けば、ブランドのラインアップを若者受けする「KAWAII」デザインにして、それが当たっているらしい。カワイイデザインでも価格が可愛いわけではない、のにだ。もちろん中国人の富裕層が国内で調達できない(出来ても信用してない)ブランド品を越境ECや代購(代理購入)ビジネスに依存していることもあるだろう。それを差し引いても外資ブランドが好調なのが一過性のものではないことはわかる。恐らくその理由は各ブランドメーカーのマーケティング戦略によるものだと思う。
自分がいわゆる「ブランド」と言われる会社に勤務していたときは、とても殿様商売だった。労せず百貨店の一番いい売り場を抑え、一部の熱狂的なシャXラー的な人を大事にしていれば成り立っていた。百貨店も店頭売上よりも外商売上の方が大きかった時代だ。
しかしわが世代は注意して欲しい。タンスの奥から昔のブランド品を引っ張り出して、今の流れに乗ろうとしてはいけない。非常にキケンである。長く生きて来たのだから、今できる範囲で自信を持って自分が好きなものを身につければいいのだ。