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沖縄の山

2022年12月13日

沖縄というと、もちろん青い海がその象徴だが、低山ながら山も魅力的だ。

県内で一番高い山は本島ではなく石垣島の「於茂登岳」(標高 526m・石垣市)だ。本島では与那覇岳(標高 503m・国頭郡国頭村)が一番高いが、眺望はないらしい。人気のあるのは嘉津宇岳(標高452m・名護市)で、そのアルペン的な様相と360度の眺めが素晴らしい。石川岳(標高204・国頭郡恩納村)はアクセスの良さから手軽なだけあって、遠足などで登られる県民にも身近な山だ。


私は於茂登岳、嘉津宇岳、石川岳に登ったことがあるが、いずれも本土にはない熱帯雨林的な植生で山頂に至るまでの眺望は望めないが、比較的よく整備されていて迷うこともない。迷っても冷静に来た道をたどれば、気温もさほど低くならない沖縄では遭難には至らないと思いきや、年間10件以上遭難が発生しており、安易な気持ちで入山した結果、装備や天候の見極め等の準備不足が指摘されている。


20年以上前になるが、西表島の縦断を試みたことがある。6時間の行程で石垣島から日帰りの予定だったが、入山したのが昼前で登山の時間としては遅い時間だった。低山だったので完全に油断しており、地図も見ずに2時間ほど山道を辿っているといつの間にか道がなくなり、道に迷ったことに気が付いた時には自分がどこにいるのか分からなくなっていた。エメラルドグリーンに光るトカゲも、その時は恐ろしく思えて、来た道を引き返したつもりが完全に進退窮まってパニック状態になり小川に沿って半べそで歩いていると、こんな山奥に奇跡的に川の護岸工事で職人さんが数名で作業をしている現場に至り、一気に力が抜けた記憶がある。相当山奥に入り込んだと思っていたが、登山道の入り口付近をグルグル回っていたらしい。


北アルプスや南アルプス、八ヶ岳の上級者コースを半ば制覇していたので、自分の経験を過信し過ぎてしまった。最近では登山系のユーチューバーも多くいるらしく、先日偶然若い時に縦走した穂高から槍ヶ岳までをGo PROをヘルメットにつけて走破している映像を見た。高度感や落石などの危険な様相が異様にリアルで、よくこんなところ歩いたな、とスマホの画面を見ながら足が竦んでしまった。


高齢になって、登山を再開する高齢者が多いらしい。遭難のニュースも圧倒的に高齢者だ。自分もその中の1人にならないように気を付けながら、沖縄の山々を登ってみたい。

沖縄の山はこれからシーズンオンだ。

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