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2023年3月3日
昔勤めていた会社では大きなファミリーセールが年に2回東京と大阪で行われ、自分はそのレジの統括を担当していたが、大阪に行くのが毎回楽しみだった。東京と大阪の嗜好の違いを見るのも興味深かったが、一番の違いは大阪では購入したお客様が商品を受け取るときに「ありがとー⤴」(語尾上げ)と言ってくれることだった。東京ではないことだったので、少し驚きつつも大阪(関西)の人は気さくで優しいな、と思っていた。
別の会社に転職した後も、心斎橋店の立ち上げでレジのヘルプに入ると、最後にやっぱり「ありがとう⤴」と言ってくれる。ファミリーセールだとある意味お客様も関係者なので、お礼を言ってくれるのも分からなくはないけど、大阪では売った側も買った側も「ありがとー⤴」と言葉を交わすことが印象的で、以来自分もどこにいても買った際に「ありがとう」というようになった。同じ頃アメリカやカナダで数か月過ごす機会があったのだが、向こうでも買った側も必ず「Thank you」と言っているのを目の当たりにして、むしろ東京の方が少しおかしいのではないかと思うようになった。
昔「お客様は神様です」というセリフが流行り、それが理由かどうか分からないが、日本では 客=偉い という図式が当たり前になっていったように思う。最近ではSNSを騒がすモンスター客も「客に対して」や「俺は客だぞ」的な暴言を店側に発し、世間の批判に晒されている。そもそも「客」は偉いのだろうか、と改めて思う。お金を貰う側も、ただで貰っているわけではない。その対価として見合うサービスや商品をお金と交換しているのだ。ラーメン代として800円払う客も、800円分のラーメンを食べさせて貰っているのであって、双方の関係は対等なのではないだろうか。もちろん「数ある店の中からウチを選んでくれてありがとう」という感謝の気持ちが店側にはあるだろう。「いつもウチで食べてくれてありがとう」という思いもあるだろう。しかし「お金をくれてありがとう」とは思わないはずだ。客だって「800円で美味しいものを食べさせてくれてありがとう」と思わないといけない。それを言葉に出来るのが、大阪の素晴らしいところだ。
先日東京の馴染みの店で飲んでいると、一見さんと見られる男性が恐る恐る入ってきた。その店は完全にお任せでメニューはないし、酒も日本酒以外にないので、店主はその客に「うちはお任せでメニューもないのだがそれでもいいか」とその一見客に断り、客もそれでいいと席に座った。最初は黙って出されたものを食べていたが、メニューもない、金額もない、とブツブツ言いだした。すでに酒が回っているようで、だんだんその文句が大きくなってきた。するとその店主は「お金はいいので帰って下さい」とお金も貰わず追い返してしまった。自分は感心してしまった。未だに客は神様って思っている客も店も多いと思うが、客かどうかは店側が決めることだと思う。ましてその時の客は追い出されたがお金を払わなかったので、対等の関係でもない。後でその店に嫌がらせされても困るので、自分はその客を追いかけ、「店に入ってはその店のやり方に従わないと。次回は素面の時に来たらいい。いい店だから。」と諭した。
大阪だけでなく日本どこでも、売る側も買う側も「ありがとー⤴」と言い合える文化が根付けば、今以上に日本は住みやすくなるはずだ。