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応募と採用

2023年8月1日

先日ある専門学校で学生相手に話をする機会を頂いた。弊社の会社紹介や業界のこと、入社時の心構えなど取り留めのない内容になってしまったが、その後にインターンシップの依頼など頂いたことを思えば、さほど顰蹙を買うほどのことはなかったとホッとしている。


最近になってインスタのメール機能を使って「先日の講義を受けたものだがバイトでも働きたい」という内容のメッセージを頂いた。このご時世に「働きたい」などとは大変光栄だし、「アンタとは働きたくない」と言われるより100倍嬉しい。早速、「ぜひ一緒に働きましょう!」と返信した…わけはにゃい。どこの誰か、何をしたいのかも示さない相手を歓迎できるわけがない。まず自己紹介、そして先日の講義で何を思ったのか、さらに何をしたいのか、を示さなければ 「待ってました! いらっしゃい!」となるはずはないのだ。


逆にそこが的を得ていれば、求人などしていなくても、貴殿を雇いたい、となることもある。現に自分自身、全く求人など出していない企業に、「自分を雇えばこういう新しい事が出来る」と訴え、雇って貰っていたので図々しいモノだった。

 

新しい会社を立ち上げてからは面接などする機会はあまりないが、それでも長い会社員生活で入社面接をする機会は何度もあった。即採用!ということもあったが、遠慮しているのか面接で「自分をアピールする」ことを誤解している若い人が多かった気がする。

 

まず絶対に採用しない人は、質問の段階になって「いえ、大丈夫です」と何も質問しない人だ。いったい何が「大丈夫」なのだろう。これから自分の人生の中で、多くの時間をそこで費やそうとしているのだ。腐るほど質問があるのがフツーだ。「面接対策」なんかの本を読めば、気に入られる面接の内容とか仕方が沢山の事例と共に書かれているはずだ。 この手の人は「取りあえずは入社出来ればいいや」と安易に思っている節があるのでまず採用しない。一方で「積極性をアピール」を誤解して、分かりきった事を質問してくる人もいた。「いや、そんなこと会社概要に書いてまんがな」ということで、これも即不採用だ。正解もないのでここでは事例を書かないが、担当者を唸らせる質問をしてくる人もいる。こちら側が答えに窮したりすると、採用通知を出しても逆に蹴られることもあった。

 

大事なのは採用する方も、応募する方も、関係性はイーブンなのだ。採用する側が優位なんてことは絶対にない。昨今の売り手市場を鑑みれば、むしろ応募する方が有利のはずだ。それでも「テキトーに働いて給料が貰えればよい」とか「やりたいことが見つからない」という人を採用する企業などないか、あってもどのみち長くはないだろう。企業は採用時や採用後に多くのコストと時間を使う。合わなきゃさっさと辞めようと考える気軽な求職者と違って、「こいつ使えないな」という場合でも、企業側は簡単にクビには出来ないのだ。


面接は求職者と求人者のお見合いだ。相思相愛になるには、多くの情報を「交換」して互いを理解することが大切だ。そのためには履歴書だけでは不十分だ。会社概要で全てが分かるはずもない。無駄な転職をしないためにも、相手のことをよく調べて、自分のこともよく知ってもらうにはどうしたらよいか考えて欲しい。情報ならいくらでも集められる時代だ。そういうことにスマホやPCを駆使しないといけないということだ。簡単に諦めずにチャレンジを続けて欲しいと思う。

 

ところで件のメールでの問い合わせだ。返信をしたのだが、その後の反応がない。まず人間として、最低限の礼儀を培わなければ例えどこかに入社出来ても苦労するだろう。まあ苦労が人を大きくするのだから、逃げずに真っ向からその苦労に立ち向かって欲しい。

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