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高校野球と昭和の男

2023年8月17日

連日熱戦を繰り広げている甲子園。近所の沖尚もベストエイトへの進出を決め、夏の高校野球も大詰めを迎えている。春の選抜方法がよく分からないので、やはり春よりも一戦一戦各都道府県を勝ち抜いてきた夏の大会の方が応援にも熱が入る。もちろん地元高の応援だけではない。例えば大都市の高校と地方の高校との対戦では何故か地方の高校を応援しているし、地方同士だとどっちも勝たせたくなる。


そんな中、昭和の男は最近やけに目立つ長髪(普通の髪の長さなのだが)の選手たちに違和感を持つのだった。特に出身地の神奈川代表の慶応には腹さえ立った。選手のほぼ全員がサラッとした長髪(というより普通の髪の長さなのだが)でやたらと都会的で、将来を約束されている屈託のない爽やかな連中が甲子園で躍動しているのだ。そしてスタンドのやたら華やかなチアガール達。大学から応援に来たんじゃないかと思うほど大人ぽくてお洒落でキラキラしている。当然、相手の広陵を応援していた。いや、昭和の男達はみな広陵を応援していたはずだ。そもそも昭和の男の古い思考回路はまだ高校球児=坊主頭なのだ。坊主になりたくなければ野球部ではなく、サッカーやバスケ部に入った時代だ。(強豪校はサッカーやバスケも坊主) 自分も今や面影もないサラサラヘアを維持したくてバスケ部だった口だ。それが長髪で慶応ボーイで強いとなると、世の慶応出身以外の男達は全員広島の広陵を応援していたはずだ。


しかし試合は慶応が勝った。勝利の校歌を歌う選手全員の髪が長い。(というより普通の髪の長さ) 時代が違うのは分かっている。自分の時代は学校で先生に殴られると親が先生に「ウチの子を殴ってくれてありがとうございました」という時代だ。そしてそういう先生の方が人気があった。会社員はモーレツこそ正義の時代だった。軍隊まがいの坊主頭をスポーツ選手に強要していい時代でないことは分かっている。学校でも校規が厳しいと問題になっているらしい。しかし、やってはいけないことをした自分の子供を満足に叱れない親や、人に迷惑を掛けているのにそれを叱る他人を非難する親を見ていると、「ショーワ、カムバーック」と願うのだった。(全て個人の感想と嫉妬です)

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