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「徳川家康」と「ミクロの世界」

2025年10月16日

山岡荘八の「徳川家康」全26巻を1年半かけてようやく読破しました。あまりに登場人物が多く(2200人以上)、聞いたことのない人物や、名前しか聞いたことのない人物の経歴などを調べながら読んでいたので、後半には前半のあらすじや登場人物が朧げな記憶になってしまいました。昭和の高度成長期には「経営者のバイブル」として必読書に挙げられていましたが、さすがに26巻には手が出ずに、今になって遅ればせながら読んだ次第です。現在は「経営者のバイブル」としては隔世の感がありますが、それでも武士の長として、自分の死後の泰平への準備や憂い、武士の秩序を整えた先見の明と実行力には鬼気迫るものがありました。その核となっているのが、厭離穢土 欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)。この時代ですからやはり仏教なのですが、この考えが家康の「筋」と「信念」になっていくのです。あらすじは壮大過ぎてまとめようがありませんが、徳川幕府の土台は家康と、その意思を受け継いだ、成瀬、土井、阿部、板倉、井伊、安藤、青山などの譜代大名や附家老によって、例え将軍が暗愚だとしても265年も続いたわけです。

 

例えば、五代将軍綱吉時代には政治の混乱がありましたが、有能な老中や側用人が要職を担い、将軍個人の能力に依存しない強固な幕府のシステムが機能したからこそ、体制崩壊を免れたという歴史があります。この「人」ではなく「仕組み」で国を維持したシステムこそが、家康最大の遺産であり、老中たちがその意思を体現し続けた結果なのです。

 

それに比べて今の政治家は何と無責任で小さいか。最近ではあまりに小さすぎて虫眼鏡でも見えなくなってしまいました。その小さい人々が離れるだのくっつくだのやっているようですが、ミクロの世界のことのようです。彼らは「ミクロな権力闘争」に終始し、「マクロな国家の長期的ビジョン」や「国民への責任」という肝心な部分を忘れているように見えます。この、将軍個人の凡庸さをシステムで覆い隠した江戸の先例を学ぶべき対象すら見失っている現状に、強い危機感を覚えずにはいられません。この諦めと危機感から従来政党ではなく、危険で未熟な新政党が脚光を浴び、そこに託したくなる人々の気持ちもわからないではありません。

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