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Jan 17, 2026
とある関西の美術館を訪れた時のことだった。そこは最寄りの駅から歩いて行ける距離にあるものの、山の中腹に位置しており、かなりの急坂を登らなければならない。
事前にホームページで「アクセス」を確認すると、最寄り駅から無料の送迎バスが出ているとある。ただし、「ご高齢の方や配慮が必要な方を優先させていただきます。空いている場合はどなたでもご利用いただけますが、ご協力をお願いします。」
という注意書きが添えられていた。
「空いていれば乗ろう。だめなら歩けばいいか」
そんな軽い気持ちで駅に降り立つと、ちょうど送迎のマイクロバスが停車していた。車内を覗き込みながら「乗れますか〜」と声をかけた瞬間、「ハッ!?」と、車内の空気が一気に緊迫したのが分かった。
中には降りようとする人の姿も見えたが、奥を見るとまだ席が空いている。
「あ、空いてる空いてる」とそのまま乗り込むと、降りようとしていた人も席に戻り、車内は一転して「ホッ♡」とした雰囲気に包まれた。
無事にバスが出発し、急坂を登っていく中で、ふと先ほどの一瞬の緊張感が気になった。
「降りようとした人がいたし、さっきの緊張感は何だったのだろう」
その時、ホームページで見た注意書きが頭に浮かんだ。
もしかすると、自分が乗り込もうとしたことで、「あ、ご高齢の方が来た、自分は降りたほうがいいのでは」と考えた人がいたのではないか。
そこで、「ハッ」とした。
すっかり自分のことを棚に上げていたが、もしかして自分は、社会的に「ご高齢の方」と見なされる年齢になっているのではないだろうか。「いや、そんなはずはない!」、「まだまだ若い!」と思いつつも、それでは車内の緊張感の説明がつかない。
結局、その日の美術館では展示品があまり目に入らず、人生のことなどを考えながら、帰りは坂道を歩いて下りながら誓った。「もう無料バスには乗らない」


