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海上輸送サーチャージについて (BAF・CAF・PCS編)

原油価格の高騰、円の急落、急変動と貿易に携わる方にとって昨今の経済情勢の変化は大変な頭痛の種となっていると思います。

何十年とやっていると、数年おきに必ずこういう局面がやってきますが、それでもここ2~3年の状況は例を見ない急変化でしょう。

こういう時に必ず付いて回るのが、海上運賃のSurcharge=サーチャージ、すなわち割増調整料金です。このサーチャージの高騰が、数年前の海上運賃と比較にならない価格差を生み出しています。


BAF (燃料費調整係数)

BAFは、Bunker Adjustment Factorの略で燃料費調整係数、いわゆる燃料割増料金のことで、船の燃料である重油の価格変動に対して加算される調整料金です。船会社や航路よって異なる名称が使われることがあり、BS (Bunker Surcharge)、EBS (Emergency Bunker Surcharge)、EFAF (Emergency Fuel Adjustment Factor)、FAF (Fuel Adjustment Factor) などと呼ばれる場合もあります。

昨今の原油の高騰からBAFも上がる一方となっています。コンテナ輸送の場合、BAFはコンテナ1本当たりで料金が定められ、当然20フィートと40フィートで異なります。最近では環境保護の観点からBAFの派生料金として窒素酸化物の排出量を規制している国向けのNOx Emission Surcharge、 Carbon Tax Surcharge at Destination (CBD)、Low Sulphur Fuel Surcharge (LSS) といった割増料金が適用されることもあります。


CAF (通貨変動調整係数)

CAFは、Currency Adjustment Factorの略で通貨変動調整係数のことで、為替レートの変動に対して調整される割り増し料金です。CS (Currency Surcharge) とも呼ばれます。CAFは一般的に基本料金に対する割合 (%) で価格が決められています。東南アジア航路などでは、日本円の高騰に対して発生するYAS (Yen Appreciation Surcharge) が適用されますが、昨今の急激な円安に対して救済するような調整料金は見当たりません。むしろ円以外の急激な為替変動からCAFも上昇傾向にあります。


PCS (船混み割増料金)

PCSはPort Congestion Surchargeの略で、輸出入港が混みあい着岸するまで時間を要する場合の割増料金を指します。沖待ちが発生すると人件費や燃料代など余計な滞船費用が掛かりますので、それも荷主が負担することになります。ロックダウンで深刻な沖待ちが発生していた(している)中国各港経由のコンテナ船にもPCSが発生しています。



貿易に携わる者にとって、他国で起きている出来事は対岸の火事ではありません。まさに当事者なのです。しかし企業にとって死活問題でもウクライナの人々に比べれば命まで落とす危険はありません。ウクライナに早く平和が訪れることを願うばかりです。






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