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  • hiroyukikira

仕事の進め方について

更新日:2022年6月14日

これから少し「仕事の進め方」について考えてみたいと思います。私は長らく物流に関わってきたので常に効率や生産性を考えます。同じ仕事でも100人いれば100通りのやり方があります。それでは結果が同じでも所要時間がまちまちで品質にもばらつきが出ます。

それを改善する為にマニュアルを作り手順を統一するのですが、人の一挙手一投足まで網羅する事は出来ないので、手順を統一しても各人の生産性を統一する事は難しいです。実際、倉庫で発生するピッキングエラーの発生率には個人差があります。また業務に要するスピードも異なります。それらを克服する事は困難ではありますが不可能ではありません。何故なら課題がはっきりと見えているからです。皆が単一的な作業を同時に行う工場や倉庫作業はヒューマンエラーやスピードの個人差が明確です。そこでQC活動やKAIZENなどの手法を用いてばらつきを減らしていくのです。さらに個人の判断を必要とする部分を極限まで削り、手順の不統一が起こらないようIT系マテハンを導入する事でスピードの統一を計りながら生産性の向上とヒューマンエラーの撲滅を実現します。工場や倉庫の仕事が一般的に面白くないと思われるのは個人の采配に頼る部分が少ないからだと思いますが、実際はとても奥深くやりがいのある仕事です。


ではオフィスワークはどうでしょうか。オフィスワークは少人数での分業制なので個人差が明るみになりにくい。いつも忙しそうな人は、周りから見ればいっぱい仕事があるんだろうなあ、と同情の尊敬の目で見られますが果たしてそうなんでしょうか。忙しい、というのは主観的な表現であって、具体的な仕事の量を表してはいません。しかし何をどのくらいやっているのか外からは分からないのと、その人だけの問題になりがちなので放置されることが多い。課題がハッキリしないんですね。ひょっとしたらその人の仕事の進め方が悪くても、そういう人は仕事を抱えがちで周りにもオープンじゃない。自分は「忙しい」と口に出していう人は、「これ以上仕事をやりたくない」と言っているのと同じと思っています。そうなるとその人に仕事は振らず、別な人にお願いするか自分でやるのですが、不思議な事に忙しい人はいつも忙しいんですね。もしかすると人知れず社内の難題に取り組んでいるかも知れないですが。


仕事の仕方は千差万別ですが、工場や倉庫での千差万別は生産性の向上を妨げ、品質のばらつきを生み出す原因になるので許されないんですね。個人采配の自由度が極端に低い。しかしそれではモチベーションの維持が難しい。なのでQCと銘打って改善活動そのものを現場に一任する。よく出来た仕組みです。そもそもどういう仕事の進め方をするべきなのでしょうか。もちろん正解はその状況や内容次第だと思いますが、自分は「全体匍匐前進」型をとるべきだと思っています。勝手に名付けたんですけどね。どういう事かというと、一つの案件に集中せずに、少しずつでも毎日手をつけてゆっくり進めていくべきだと思っています。何故なら会社や業務の状況は刻々と変化しているので、一つの事に集中し過ぎると変化に対応出来ないからです。取り組んでいる途中に重要度が低くなる仕事も多いし、突然重要度が高い仕事が舞い降りてくる事も多い。そういう状況に少しでも上手く対応するには、一つ終わって次っ、というやり方よりも全部を同時に近い形で進めていく方が融通が利きやすいからです。


スポーツに例えましょう。テニスプレイヤーの大坂なおみ選手がサーブの練習だけしていたらどうでしょうか。大坂選手にとってサーブは最大の武器ですし、サーブで得点が取れればレシーブの必要もない。しかし世界のトッププレイヤーが集まる大会では必ず打ち返されるし、狙う分だけフォルトも避けられない。レシーブやドロップショットの練習もしなければなりません。それも世界最高レベルの技術で、です。一つの事に集中なんて出来ないんですね。ましてゲーム中はあらゆる状況に対応できるように感覚を研ぎ澄ましている。右に来るか左か、手前か奥か。あらゆるショットラインを想定している。サッカーも司令塔だけ上手くても、他が下手なら勝てない。全体のバランスを高次元で高めなければならないのです。仕事も同じですね。今日は新しいクライアントから依頼が来るかも知れない。役所に呼び出されるかも知れない。突然来客が来て長話になるかも知れない。同僚が風邪で休むかも知れない。色んな状況の変化が起こり得ます。その為にはまずは出来るときに出来るだけの事をやっておかなければならない。これは急ぎじゃないから後でいいや、って思ってるうちに出来なくなったりするものです。メールの返信も、開いて読んだ時にすれば、またメールを開いてって作業がない分早く済みます。一局集中よりもバランスがやはり重要ですよね。大変そうだから後にしよう、と思っていた事も、少し手をつけてみると色んなアイデアが浮かんできたりします。家に帰って風呂に入っている時やウォーキングの時に降ってきたりもします。ところが全く手をつけていないとアイデアなんて浮かんでこない。そのうち上司から「あれどうなってる?」って聞かれて、慌てて練りきれてないものを出すのがオチです。その間他の仕事は放置され、周りに迷惑を掛けるし悪循環に陥るわけです。仕事に追われて忙しいのか、追って忙しいのか。質に影響するのでしっかり追っていつでもコントロールしていきたいものですね。


最後に、忙しそうじゃない人は仕事がデキる人と限らない事は言うまでもありません。ホントに暇なのかも知れない。でも暇そうに見せる人は仕事を欲しているわけで、仕事がデキる人が多い。暇なのに忙しいフリをして、新しい仕事を避ける人もいますね。周りからはバレバレなんですけどね(笑)

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