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AGVとAMR

  • hiroyukikira
  • 2022年6月27日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年9月5日

関西に出張がてら「関西物流展」に4年ぶりに立ち寄った。

前回際立っていたのは自動仕分け機や自動ピッキング機だったが、今回際立っていたのはAGVやAMRのブースで、視覚的にも分かりやすいので、多くの人だかりが出来ていた。


AGVはAutomated Guided Vehicle、AMRはAutonomous Mobile Robotの略で、違いはAGVが定められた軌道上を動く荷車を意味するのに対して、AMRはそのものが状況を判断して自動制御で動くロボットを指す。いずれもピック後の商品を仕分け場に運んだり、パレットを所定のロケーションに運んだりするものだ。もちろん使用用途はユーザーによって様々に変化する。


AGVは文字通り軌道が必要なので、ある程度のスペースをAGV専用に費やす必要がある。また軌道が必要な分、拡張性や多目的用途には馴染まない。AMRは倉庫マップをロボットに記憶させれば立入禁止区域には侵入しないし、障害物は避けて通れるのでフレキシビリティは高い。ただ、その動きを展示会で見る限りは、熟練の倉庫スタッフには太刀打ちできないように思う。


DXだICTだ声高に叫ばれている中、「うちの会社もDX化しなきゃ」と焦っている企業が多いのではないか。喫緊の課題として2024年問題が迫っているので、DX化の目的は人件費削減だったり、人不足解消だったり人的な理由が多いように思う。しかし自社の問題や課題も突き詰めず、ただただDX化を目指すのでは、十中八九失敗する。結局人がやった方が早い、となってしまうのだ。


マテハンだけでなく、WMSやERP等のシステム導入は、業務に合わせてシステムを設計するのではなく、システムに業務を合わせて運用する、とはずいぶん前から言われている。しかし常に現場は新しい変化を嫌うものだ。日頃の業務に忙殺され、人不足で疲弊している現場に「新しいシステムを導入する」といっても「余計な仕事が増えるのか」と失望されて協力は得られない。


或いは「ロボット導入して俺たちを切るのか」という危惧を生む現場もあるだろう。日本の倉庫現場にはとても優秀な人材が多い。コミュニケーションが苦手だったり、デスクワークが苦手だったりするシャイな男たちが現場では躍動するのだ。指揮官がいないとすぐにサボったり、杜撰で雑な仕事しかしないどこかの国ではDXは急務だろう。しかし日本は少し事情が違うのだ。働き方改革と言ったって、皆がみんな、リモートワーク出来るわけではない。物流世界には常に現場がある。その現場に最新機器を導入するに当たって重要なのは、いったい何を目的とするかだ。ルーティンワークをロボットにやらせて、今の荷役人材は何をするのか。


2024年問題を考えるなら、今現在何が問題なのか、AGVやAMRに何をやらせるのか。大手ECやメーカーや3PLなど、常に一定以上の物流があって、24時間体制ならばDX化は大いに効果をもたらすだろう。しかし10人足らずで回している倉庫に無理やりロボットを導入しても、コスト的なメリットは薄いだろう。高齢化が問題になっているなら、待遇を改善して後継者を育てればいい。3Kの現場であれば、肉体的負担を減らすためにサポートスーツや協働ロボットを導入する手もあるだろう。要は目的なくしてDX化の成功はないのだ。


その中で面白いシステムがあった。WMSのデータ解析システムなのだが、WMSのデータと倉庫のロケーションマップをアップロードすると、作業効率が最大限に発揮させることが出来る動線やピッキングオーダーを弾き出すのだ。それでピッカーの動線を最適化したり、ロケーションやレイアウト変更したりすることで生産性を上げるのだ。倉庫のAI化というと、直ぐにロボットの類を連想するが、現在ある人的リソースを最大限に発揮するための生産性の「見える化」が、地味だが中小倉庫にはまずは取り入れるべきDXだと思う。




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