• hiroyukikira

急激な為替変動リスクを回避するには

為替予約という方法があります。貿易における為替予約とは、(近い)将来の貿易代金の決済を外国通貨で行う場合、予め銀行と日本円との換算レートを決めておくことです。昨今の急激な為替変動においては、契約や発注(受注)した時点の為替と実際に決済を行う時では大きな差異が生まれる可能性が高いです。


最近のトレンドを見ても、半年前は115円前後だったドルが現在では135円前後ですから、1ドルあたり20円の差があります。例えば半年前に輸入買い付けの売買契約を1,000ドルで行ったとすると当時の為替で115,000円の支払いでよいところ、決済が後払いの7月1日だとすると135,000円支払わなければならないので、20,000円余計に支払わなければならないのです。これは企業にとって、決済するまで円建ての金額が分からないのでは、資金繰りや予算の都合上、大変な不都合であるわけです。


貿易では、特に船便の場合、契約→発注→船積み→入港→通関→着荷→検品→支払いまで3ヶ月以上時間が掛かることも少なくないので、その間に為替相場が必ず変動します。そこで為替予約をすれば、決済日より前に円建ての金額を確定させることができるのです。



為替予約は英語では”Forward exchange contract”といいます。具体的には、実行日(決済日)に使う為替レートを銀行と予め約束することです。未来である実行日の為替レートは誰にも分かりませんが、銀行は為替予約をする日のレートを元に、実行日までの利息を計算して為替レートを決めています。私は以前の会社で、Remittance(銀行送金)後払い末締め翌末払いの条件の中、ShipperからInvoiceを受領した時点で為替予約を行っていました。企業によっては発注した時点で予約をすることも多いかも知れません。


為替予約を行った後に為替相場が変動しても、支払いは為替予約で取り決めたレートで行います。前述の例でいくと、今年1月に120円で為替予約を行っていれば、為替予約をしない場合に比較して、15,000円得したことになるのです。しかしもし円高に振れて、決済時の対ドル為替レートが100円になっていたとすれば、100,000円の支払いで済んだはずが、為替予約を行ったことで120,000円支払わなければならず。20,000円損したことになります。為替変動が不利な方に傾いても予約をキャンセルすることは出来ません。為替差益を狙うには為替予約は最適な方法ではありません。


しかし企業は常にリスクヘッジを考えるものです。Gainよりも最悪の場合を想定して対策を講じるべきです。その為に昨今の不安定な円相場では、為替予約は必須のリスク回避方法といえます。他の方法としては、輸入の場合、契約で円建て払いで交渉することがありますが、今の状況では難易度は高いでしょう。


また、貿易には納期遅延や誤出荷がつきものですが、もし決済金額に変更が生じた場合は、新たに予約をすることになります。そのために実行日(決済日)はXX月XX日のようにピンポイントで設定せずに、「2022年7月渡し」のように幅を持たせて予約します。



とは言っても誰でもすぐに為替予約が出来るわけではありません。取引する銀行に外為部門があることが大前提ですし、初めて為替予約をするときには与信審査があるので、まず銀行と相談してみて下さい。一般的に為替予約に手数料は必要ありません。為替予約レートに含まれます。従って予約した日の為替相場と全く同じということはあり得ません。


ところで為替予約ができるのは代金決済に限りません。外貨預金でも提供している銀行があります。ということは、輸出の場合もドル建て払いで契約して、ドルで代金受領後に予め決めた日の為替予約レートで円に換算、とういうことも可能です。




それにしても最近の急激な円安には悩まされている貿易会社様がとても多いと思います。商品代金だけでなく、輸送費もドル建てを円に換算して請求されるので、以前輸出入した時の運賃とはかけ離れたものになっているはずです。ロジスティーダは外資系フォワーダーと提携しておりますので、常にお客様にとって一番いい条件をオールイン金額で提示させて頂いております。この厳しい難局を乗り切るには、まずはロジスティーダジャパンにご相談下さいませ。




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