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  • hiroyukikira

WMS導入後の失敗事例

物流DXの旗頭としてAGVやAMRが脚光を浴びているが、UPDATEされたWMSを導入してこそのそれらであろう。しかしWMSを導入してみたものの、現場に浸透しなかったり、業務に即さなかったりで失敗を経験した方も多いと思う。WMSは導入するまではIT部門や物流部門の上層部がその構築の中心的役割を担っており、現場に落とし込んだ途端に問題が一挙に噴出して立ち行かなくなってしまう事例が多い。ここに代表的な失敗事例を挙げてみる。


失敗例1 イレギュラー対応が多すぎて、イレギュラー対応がレギュラー化してしまう。

現場に対してWMS導入後の業務フローや手続きなどの変更点を周知し事前に協力を求めていなかったことで、「今までのマニュアル業務の方が早い」という理由で従来の帳票類が使用されたり、システムに則った業務手順が履行されないといった問題が生じることが少なくない。放置しておくと受発注は従来通りマニュアルで行い、後でデバイスに手入力を行うという本末転倒なことまで起きてしまう。


システムの導入によって却って業務効率が低下してしまう理由は、社内の啓蒙活動と共通手順の説明不足などの現場へのコミュニケーション不足である。導入後に行っていくということも耳にするが、当然導入前にしつこいくらい勉強会など開いても十分ではないはずだ。全ての関係従業員を巻き込むことで成功率が高くなる。現在のイレギュラー対応を洗い出し、事前に本当に必要なことかどうか整理しておくことが最も重要だ。



失敗例2 現場のニーズと同期しない論理在庫ロケーションが増える。

WMSを導入した場合、一般に在庫ロケーションを容易に変更できるようになる。また、同一ロケーションに異なる商品を保管することでスペース効率を上げることも可能になる。従ってWMSの導入によって庫内のロケーションを大幅に変更するケースも少なく、それが大きなメリットでもある。


しかしWMSの導入に際して行ったロケーション変更によって、実業務が逆に非効率化してしまうことも多い。システム上では最適とされるロケーションであっても、動線やスタッフの能力、経験値と測ると適切ではない場合もあるためだ。一般にはWMS側に業務を合わせることがセオリーだが、庫内作業に精通した古参スタッフの意向を聞かずにロケーション管理を検討した場合にはこうした失敗が発生する可能性が高まる。早めに現場を巻き込み、現場の協力を得やすい環境を事前に整えておくことが重要である。何故なら現場は日常業務に疲弊しており、変化に抵抗を持つからだ。



失敗例3 営業所や支店によって業務フローが変化し混乱が生じる。

大規模なWMSを導入する場合には、特定の部署や業務に絞って導入することも考えなくてはならない。まずはトライアルとして部署を絞ってテスト導入して、費用対効果や問題点を見極めるという方法がよくとられる。特定の拠点のみでWMSを導入した場合には、当然WMS導入拠点とWMS未導入拠点で倉庫管理業務の内容が異なってくる。細かな部分では、使用する帳票、在庫連動の手順、配送処理の方法などがWMSを使用しているか否かによって異なる可能性がある。そしてこうした拠点ごとの違いは、「在庫連動が正しく行われず在庫数に誤差が生じる」「同一の仕入処理を重複して行ってしまい過剰在庫が発生した」といった事態を招き、必ず2重作業が発生する。このようにWMSの導入によって拠点ごとの業務フローが統一されていない状況が生み出された場合には、倉庫管理業務に混乱が生じてしまうことが多い。



失敗例4 導入時・導入後のサポートのサービスレベルが不十分だった。

WMSを導入するときは機能面だけでなく、その製品を提供しているベンダーのサポート体制やサービスレベルについても十分確認しなくてはならない。想定外のトラブル発生時に素早く対応できる体制が整っているか、特に繁忙期の年末年始やお盆前後にトラブルが起きた時に対応可能なのか、サポート窓口の受付時間は何時までかなど必ず事前に確認する必要がある。特に県外のベンダーの場合、この点は重要である。



自分もWMSの導入に失敗して、全ての業務が白紙となり、原始時代に戻ってしまった経験がある。WMSは要件定義や費用の積算も大事だが、導入チームを編成して現場のスタッフ一人一人がDXへの意識を持って改革にあたることが何より大切だ。






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