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ココアパウダーの輸入

ココアパウダーはインスタントコーヒー、粉末ジュースなどと同様に食品衛生法上においては粉末清涼飲料水に分類されます。摩砕焙煎コーヒー豆、紅茶葉はその中に含まれません。輸入の際には以下の成分規格について国内の検査機関で自主検査(自費)が必要となります。


成分規格

混濁:飲用に際して使用される倍数の水で溶解した液が、混濁したものであってはならない

沈殿物又は固形の異物:飲用に際して使用される倍数の水で溶解した液が、沈殿物又は固形の異物のあるものであってはならない

ヒ素:検出するものであってはならない

鉛: 検出するものであってはならない

スズ(金属容器入りのものに限る):150.0 ppm以下


①乳酸菌を加えない粉末清涼飲料水

 大腸菌群:陰性であること

 細菌数:3,000以下/gであること


②乳酸菌を加えた粉末清涼飲料水

 大腸菌群:陰性であること

 細菌数:(乳酸菌を除く数値が) 3,000以下/gであること


菌について厳格な規格が定められておりますのでこれらの菌の特徴と併せて説明します。乳酸菌に代表される細菌はそれらがヒトのカラダにとって良い「善玉菌」、悪い「悪玉菌」、どちらでもない菌「日和見菌」に区分されます。乳酸菌はビフィズス菌と並んで「善玉菌」として代表的な菌ではありますが「糖を利用して乳酸を大量に作り出す微生物の総称」です。乳酸菌は、わたしたちの周囲に当たり前にいる微生物で、ヨーグルト、チーズ、漬けもの、みそや醤油などの製造に関わり、もともとヒトの腸内にも存在し体重60キログラムの成人のヒトの腸内細菌は、約100兆個にも及ぶといわれています。また、その全体を集めると、1.0~1.5キロの重量になるといわれておりますので、その多さに驚かされると同時に細菌がより身近に感じます。


大腸菌群という用語は分類学的なものではありませんが「乳糖を分解して酸とガスを発生させる菌」と定義されており、土、空気、水、動物の腸管など自然の中に広く分布しています。一般家庭の台所ではほぼ検出され、野菜や果物といった食べ物からも検出され1世紀以上にわたって食品および飲料の生産における不衛生な状態を表す指標菌とみなされてきました。現在でも大腸菌群は、多くの食品および飲料産業における衛生指標菌となっています。大腸菌群の中に大腸菌があり大腸菌の中に病原性大腸菌があり、病原性大腸菌の中にO-157があります。その中でも大腸菌は腸内環境を悪化させる「悪玉菌」の代表例として挙げられることが多い菌で、「大腸に存在する菌」のことです。便だけでなく、動物や人の便によって汚染された外部環境にも存在しています。調理施設等では食品や施設内、ヒトがが大腸菌によって汚染されていないか定期的に便によって検査する理由はこのためです。

検査では検出されれば陽性となり食品衛生法違反となります。


細菌数(一般生菌数)とはある一定条件下で発育する中温性好気性菌数(35℃前後で酸素のある環境で育つ細菌のこと)を意味しています。一般生菌数の中には有用な菌種もありますが、食品の微生物汚染の程度を示す最も代表的な指標にもなります。同時に食品の腐敗や変敗の有無、食中毒発症の危険性などもある程度推定することができます。検査ではその数が1グラム当たり3,000を超えると食品衛生法違反となり輸入することが出来ません。大腸菌を含む大腸菌群のほとんどは加熱により死滅する菌ですが、食材を加熱したとしてもその製造器具、保管容器、包装容器が汚染されていればその菌が増殖することになるため、一般に広く分布する菌であることやヒトによって持ち込まれる可能性もあることから製造現場での徹底した衛生管理が必要となります。


輸入しようとする食品が粉末清涼飲料水であれば、輸出者に上記規格を伝え事前に輸出者国内で行われた検査結果を入手することをお勧めします。というのも輸入時の検査で大腸菌が検出されると全量滅却か積戻しになるばかりでなく、検疫所の指導対象になるためです。大腸菌検査には慎重を期す必要があります。



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