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外国貨物の一時持ち出しについて

輸入許可前に保税地域にある外国貨物を一時的に国内に持ち込みたいという場合があるかと思います。具体的には、取引の対象品の見本を早急に確認したいと取引先に求められる場合や、貨物の品質の分析を早急に行いたい場合、免税店でトランクショーや保税蔵置場以外の場所に展示する場合等が考えられます。


保税地域にある外国貨物については、原則として域外への持ち出しは禁止されています。しかし「見本」に関しては「見本持ち出し」の許可を受けることで一時的にではありますが可能となる場合があります。「場合がある」というのは、用途や数量、期間によって許可されない場合があるためです。一時持出しが認められる見本は、税関の取締り上、及び課税上問題がなく、かつ少量のものに限られています。関税法は、前述の商習慣に沿うよう、一定の要件を満たした場合には外国貨物を保税地域から見本として持ち出すことを認めています。(関税法32条)


具体的な手続きは、見本の一時持出しの許可を受けようとする者は、「見本持出許可申請書」(https://www.customs.go.jp/kaisei/youshiki/form_C/C3060.pdf)を税関長宛に提出して、その許可を受けなければなりません(関税法32条、関税法施行令27条)。場合によっては「どこにどのように展示するのか」など詳細情報を求められる場合があります。特に展示中に紛失など起き得ないような管理体制について、しっかりとした計画をたてて説明出来ないと、許可が保留になったりもします。曖昧ではなく、しっかり明確な説明が出来るように図面や管理体制計画書なども準備しておきましょう。


もし一時持出された外国貨物が使用されたり、販売されたりした場合は、元の保税地域に持ち帰ることができない場合でも、持ち帰ったものとみなして、残りの貨物と一括して輸入の許可を受けることになります。しかしあまりに管理が杜撰だと次回の申請は許可されない場合もあります。見本持ち出しが許可されたといって安心せずに、元の保税地域に戻るまで気を抜かずしっかり管理しましょう。


なお、見本の持出しとは異なりますが、外国貨物を保税地域において廃棄する場合には、税関に届け出る必要があります(関税法34条)。こちらはまた別の機会にご説明いたします。

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