沖縄でも自家焙煎される珈琲専門店が増えており、自ら仕入れてみたいというご相談も受けたりします。今回は世界4位の生産量を誇るインドネシア産コーヒー豆の輸入についてお話します。
日本にはインドネシア産コーヒー豆(殻なし)の下記品種が輸入可能です。
アラビアコーヒー (Coffee arabica)
コーヒーノキ属 (Coffee)
コンゴコーヒー (Coffee robusta)
ベンガルコーヒー (Coffee bengalensis)
リベリアコーヒー (Coffee liberica)
加熱加工されていない乾燥させただけのものは、日本の第1寄港地での植物防疫検査対象となります。輸入時にまず農林水産省植物防疫所に検査申請します。植物検疫を受けるにあたっては、輸出国政府機関が発行する検査証明書(Phytosanitary Certificate)が必要ですが、コーヒー生豆については検疫有害動植物が付着するおそれが少ないものと判断され令和2年8月5日から検査証明書の添付が免除されることとなりました(輸入検査は必要)。植物防疫所での検査の結果、病害虫等の付着が判明した場合は、消毒、駆除、廃棄等の措置が命じられます。
なお、土が付いたものは輸入できません。
また別途、輸入食品届出の際にはイソプロカルプという残留農薬の命令検査対象となっておりますので、輸入の都度の検査は必要となります。検査に掛かる費用は次の通りです。
残留農薬検査料 約20,000円
サンプリング料 約5,000円
検査機関への輸送費 実費
• 検査必要数量 1kg以上、検査所要日数 検査機関到着日から3営業日
(沖縄には検査出来る設備がありません)
焙煎済のコーヒーであればイソプロカルプの命令検査対象から外れます。
また、他の食品と同様に、食品届の際には「成分表」と「製造工程表」が必要になります。生豆の場合は成分表はコーヒー生豆100%になることが多いと思いますが、製造工程表は収穫→脱肉→水洗→乾燥→脱穀→選別などの精選作業を含めて作業場所や工程を記載します。
また近年では「有機」、「オーガニック」コーヒーという販売表示をよく目にしますが、「有機」、「オーガニック」と表示するためには、有機JAS基準に基づく登録認定機関の検査を受け、認定を受ける必要があります。
コーヒー豆の関税率ですが、焙煎済か未焙煎かで変わります。原産国により特恵関税率やEPAが適用されるのであくまで参考レートですが、焙煎前が無税、焙煎済が12%になります。
コーヒー豆の輸送ですが、品質保持のためにリーファーコンテナでの輸送になると思います。しかし最初からリーファーコンテナで輸入してしまうと、検査期間中のデマレージが高額になるだけでなく、廃棄処分になった場合は目も当てられません。まずは空輸でもサンプルの輸入を行い、本輸入に問題が発生しないか確認しておくことが重要です。但しその場合でも残留農薬の命令検査は必要ですので、予めそれに掛かる費用を念頭において下さい。もちろんロジスティーダジャパンがコーヒー豆の輸入のお手伝いをいたします。
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