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「インコタームズ2020における保険の『義務範囲』の落とし穴」

  • hiroyuki kira
  • 20 時間前
  • 読了時間: 2分

「CIF」や「CIP」は売主が保険料を負担して貨物を送る条件ですが、ここに見落とされがちなポイントがあります。インコタームズ2020で義務付けられている保険の内容は、私たちがイメージする「万全な補償」とは必ずしも一致しないためです。


特に海上輸送のCIF条件では、売主が義務を果たすために付保する保険が、一般に「ICC(C)」と呼ばれる最低限の補償範囲であるケースが多く見られます。この条件は、船の座礁や火災といった大きな事故には対応しますが、現場で比較的頻発するトラブルの多くは、補償対象外となる可能性があります。たとえば、荷役中の落下、コンテナの隙間からの雨濡れ、輸送中の盗難。これらはICC(C)では補償されないケースが多く、到着した貨物を前に「保険があるから大丈夫」と安易に考えていると、想定とのギャップに直面することになりかねません。


また、2020年改定でCIPは「オール・リスク(A条件)」での付保が原則となりましたが、ここにも注意点があります。当事者間の合意によって補償範囲を引き下げることも可能なため、売主がコストを優先した結果、買主側が想定以上の損失リスクを負うケースも考えられます。さらに、昨今の不安定な国際情勢を踏まえると、「戦争・ストライキ特約(War & SRCC)」の有無も重要な確認事項です。


実務においては、インコタームズの条件だけで判断するのではなく、適用される保険条件(ICC(A/B/C)の種別)、戦争・ストライキ特約の有無、そして被保険者や保険金額(CIF価格の110%など)といった契約書上の「保険の中身」を具体的に確認することが不可欠です。

その「一行」を読み解くひと手間が、万が一の際に会社を救う決定的な差になるのです。

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