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  • hiroyukikira

世界の港の近況(2021年8月10日現在)

世界中でコンテナ港の混雑が発生する中、世界第一位のコンテナ取扱量を誇る上海港でも混雑が深刻化している。


大型の台風6号が先月末上陸し、数日にわたりポートクローズが実施されたため、滞船が悪化し現時点で2ー3日の沖待ちが常態化しているようだ。


港湾労働者不足などでターミナルのオペレーションがスローになっていることに加え、コロナによるロックダウンで昨年末から上海港の混雑は慢性化していたが、今回の台風がダメ押しとなり、さらにひどい状況になっているようだ。


上海ー日本間のような短距離航路は本船スケジュールも安定しているため、出荷から納品までのスケジュールが立てやすい航路だが、現在は上海港を出港するまで見通しが立たない状態のため、十分に余裕を持った発注を促したい。



上海だけでなく青島港や他の中国に港も同様の状況で、各船社はCIC(Container Imbalance Charge)を倍程度に値上げすることを発表している。



新型コロナウイルス感染が再拡大しているベトナムでは、7月下旬から主要都市でロックダウンが実施され、海上運送にも影響を与えている。ロックダウンによる工場の稼働停止で輸入コンテナの引き取りに支障が出るなど、滞貨拡大により港湾混雑が悪化。カトライ港では大型貨物の引き受けを停止し、荷主に対して輸入貨物の早期引き取りなど、混雑解消に協力を呼び掛ける通知を出している。



東南アジアのハブ港であるシンガポール港でも最大7日程度の沖待ちが発生しているようだ。マラッカ海峡近辺国向けでスペース逼迫が激化し、運賃の高騰が止まらない上に、相次ぐ本船遅延でスペース需給がタイトな状態が続いているという。今後の運賃の動向について船社関係者の中では、「少なくとも年内まで高値が続く」との見方が大勢を占めている。



北米航路も旺盛なコンテナ荷動きを背景に、コンテナ機器の不足が深刻になっている。コンテナ船各社ではドライ用新造コンテナの調達を進めているものの、生産が追い付いていない。


世界的なコンテナ不足は昨年末以降継続して発生しているが、今年7月からさらに深刻化。夏場以降はリースを含めたコンテナ機器の取り合いになっているという。中国のコンテナ生産工場はフル稼働だが、いま発注しても引き渡しは早くても来年2月という。夏場にかけてコンテナ船社は新造コンテナの確保に動いたが、必要本数の確保には程遠い状況だったようだ。


コロナの影響は物流業界にも拡がっているが、人不足とコンテナ不足が引き起こす価格高騰が経済に悪影響を及ぼさないことを願うばかりだ。



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