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NVOCCとフォワーダー

貿易担当者であれば、NVOCCという言葉を聞いたことがあると思います。すなわち「Non Vessel Operating Common Carrier」の略語で日本語では「非船舶運航一般輸送人」ですので文字通り、船舶などの輸送手段を保有せず、船会社の船舶などを利用して貨物の輸送を行う運航業者のことで、不特定多数の荷主から貨物を引き受け、船会社に運送を依頼して貨物を輸送する業者のことを指します。船舶以外の輸送モードもNVOCCに含まれる場合もありますが、一般には海上での利用運送業者を表します。


NVOCCという言葉は、1960年代、コンテナ化が始まり、荷主から荷受人までの一貫輸送が可能となった事から誕生しました。しかし当時、定期船会社はコンテナ船や港の整備に注力していたため、一貫輸送への関心は低く、その存在が大きく知られることはありませんでした。転機となったのは米国の「1984年海運法」の制定です。同法ではNVOCCを初めて定義し、海運同盟に対し法的に大口割引運賃の導入を認めさせたことで利益を得やすくなったため、一貫輸送への関心が高まり、NVOCCへの進出が盛んになりました。日本では、1990年に施行された貨物取扱事業法(現・貨物利用運送事業法)の外航利用運送事業にあたり、フォワーダーがNVOCC業務に参入するようになりました。そこで気になるのは、「NVOCCとフォワーダーの違い」です。


フォワーダーは、荷主と船会社や航空会社などの間に立ち、国際運送を代行する「貨物利用運送事業者」を指し、荷主から預かった貨物を、船舶、航空機、鉄道、トラックなどの複合的な手段を用いて、一貫輸送を行います。自社で輸出入通関を行う場合もありますが、自社でなくとも提携する通関業者に輸出入通関を依頼する場合もあります。弊社も提携するフォワーダーから沖縄での輸入通関を依頼されることが頻繁にあります。逆に弊社にご依頼のあった輸出入の国際運送を提携フォワーダーに依頼する場合も多くあります。


フォワーダーには主に次の種類があります。


海上輸送をメインとするNVOCC(Non Vessel Operating Common Carrier)

航空輸送に強いエアフォワーダー(Air Freight Forwarder)

複数の荷主の小口貨物をまとめて輸送する混載業者(Consolidator)

運送契約を一本化し一貫輸送を行う国際複合一貫輸送業者(Multimodal Transporter)

輸送手段を持ちながらフォワーダーの機能も持つインテグレーター(Integrator)


このようにNVOCCはフォワーダーの一種ということになります。


フォワーダーの役割は、荷主と運送業者の仲介となり、荷主から依頼を受けた貨物を輸送することです。フォワーダーは、荷主から見ると運送人となり、船会社に対しては、輸送を依頼する荷主という関係になります。荷主が船会社の直接契約することも可能ですが、その場合は荷主が自ら積出港までの輸送を手配し、荷揚港からの輸送を手配し、さらに輸出入通関を手配する必要があるのに対し、荷主がフォワーダーに輸送を依頼した場合は、フォワーダーが船舶以外にも陸上など様々な輸送手段を組み合わせて一貫輸送サービスを提供することが可能です。また、輸送だけではなく、前述の通り通関手続や保険への加入手続き、貿易書類作成などを行うこともあります。インテグレーターを除くフォワーダーは自社で輸送手段を所有していないため、輸送手段を保有する船会社に、フォワーダーが契約上の荷主となって輸送を依頼します。


フォワーダーは、船会社や航空会社と大口貨物荷主として契約するため、割引運賃で貨物を輸送することができます。また、荷主企業からすると、船会社や航空会社との直接契約では船舶輸送のみの契約になり、通関や陸上輸送を自ら別途手配する必要がありますが、フォワーダーを利用することで、窓口を一元化し、目的地までワンストップで貨物を輸送できるようになります。フォワーダー各社には、それぞれに強みや特長があります。多くのフォワーダーでは海上輸送や航空輸送にとどまらず、陸上輸送や鉄道輸送など他の輸送モードを組み合わせて輸送しています。それぞれ得意な航路や地域、或いは専門とする貨物があります。各社の特徴を調べ、自社が貨物を輸送したい国や地域に強いフォワーダーを選ぶことが重要です。得意エリアは、国や地域により異なる法規制や商慣習への対応力、物流ネットワークの充実度、取扱数量による輸送料金設定などにより決まります。しかし実際には得意な地域や輸送モードを荷主が調べることは難しいですし、手間も掛かります。ロジスティーダジャパンは複数の外資フォワーダーと提携しています。ご相談頂ければ最適なフォワーダーを選出し、輸出入通関を含めたワンストップ輸送をご提案いたします。




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