通関業者の見分け方 ~価格の安さだけで選ぶリスク~
- hiroyuki kira
- 6月9日
- 読了時間: 3分
弊社では、日々多くの荷主様から通関料や配送料の見積もり依頼をいただいております。その際、「現在利用している通関業者からの切り替えを検討している」「配送ルートは確保できているので通関料だけの見積もりが欲しい」など、ご相談の背景は様々です。しかし、その多くは他社との相見積もりであり、時には現行業者との価格交渉の材料として、純粋に価格のみを基準に通関業者を探されているケースも少なくありません。
もちろん、通関料は輸入コストに直結する重要な要素です。できるだけ抑えたいと考えるのは自然なことです。しかし、通関業者が提供するサービスは、どこを選んでも本当に同じなのでしょうか。
弊社には、他社で通関した貨物の修正申告に関するご相談が数多く寄せられます。その内容を確認するたびに、「なぜ輸入申告の段階で確認できなかったのだろうか」と感じるケースが少なくありません。
例えば、次のような事例があります。
仕入書の不備: 決済用ではない「Proforma Invoice(見積書・仮インボイス)」のまま申告し、実際の決済金額との差額が反映されていなかった。
運賃・保険料の算入漏れ: 貿易条件(Incoterms)がFOBやEXWであるにもかかわらず、輸入に要した運賃や保険料が申告価格(課税価格)の計算に含まれていなかった。
無償サンプルの評価漏れ: 売買代金が発生していない貨物について、本来必要な評価額の算入が行われていなかった。
このようなケースでは、本来であれば通関業者が内容を確認し、必要に応じて荷主様を通じて輸出者へ確認を依頼することが求められます。しかし、確認が十分に行われないまま申告が進められてしまうこともあります。
ここで注意したいのは、「税関から輸入許可が下りた=申告内容が完全に正しかった」という意味ではないことです。税関は輸入許可時にすべての取引資料を詳細に確認しているわけではありません。輸入後に実施される事後調査において、申告内容の誤りが指摘されるケースもあります。その場合、追加で納税すべき関税や消費税に加え、過少申告加算税や延滞税などが課される可能性があります。そして、その責任は最終的に輸入者が負うことになります。
一方で、優れた通関業者の役割は、こうしたリスクを未然に防ぐことだけではありません。関税負担そのものを適正化するための提案も重要な役割です。
例えば、本来であればEPA/FTA(経済連携協定)や特恵関税制度を利用できたにもかかわらず、その可能性が検討されないまま基本税率やWTO協定税率で輸入が続けられているケースも少なくありません。
EPAの適用には原産地証明などの手続きが必要となるため、制度を十分に理解している通関業者かどうかによって、長期的なコストに大きな差が生じることもあります。
通関手数料は重要な比較項目の一つですが、数千円の手数料差よりも、申告誤りによる追徴課税やEPA活用による関税削減効果の方が大きくなるケースは少なくありません。だからこそ通関業者を選定する際には、料金だけではなく、
申告内容を丁寧に確認しているか
法令遵守の観点から適切な助言ができるか
EPAや特恵関税などの活用提案ができるか
といった点にも目を向けることが重要です。
通関業者は単なる申告代行業者ではなく、輸入者のコンプライアンスとコスト最適化を支えるパートナーでもあります。
ロジスティーダジャパンでは、適正な申告と関税最適化の両面から、荷主様の輸入業務をサポートしています。







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